Surfaceは何者か。

結局、surfaceとはなんなのか。


 先日、マイクロソフト(以後はMS)より発表されたSurface Goは、本国アメリカでの発表されるやいなや、その性能や価格などから熱狂をもって歓迎された。

だが、日本国内ので発売価格が日本MSより「64,800円」と案内があった途端、その熱狂は冷めた。 以前からSurfaceについてはいろいろ思うことがあったので、これを機にまとめてみたい。 


まず先に書いておくことは、この記事はSurfaceに関して、ネガティブなことが多いです。

ただ、私個人はあのシリーズは嫌いではありません。 社会人一年目、初任給でSurface Pro2を買いました。

翌年、Pro3も買いました。 昨年の夏のボーナスはSurface Laptopにとかして、今も愛用してます。

好きだから、気になるから、無視できない。 気になるのはSurfaceはなんなんだろうということ。

タブレットでもあり、ノートPCでもある「2in1」なんて言いますが、それはとても中途半端。

タブレットとしては重いし、ノートPCとしては変な形をしてるから使いにくい。

ノートPCとしては平凡なスペックで、タブレットとしてはハイスペック。

タブレットとしては厚いけど、ノートPCとみたら薄い。 いい面もあるけど、結局、どっちつかずを右往左往してるだけ。


思い返してみたい。はじめてSurfaceが発表されたときのことを。

あのとき、Surfaceが二機種あったことを覚えているだろうか。

Proと、低スペックの無印のものだ。

Surface Pro2の時代も同じ。やっぱり2種あったと思う。

ハイスペックなProに、やっぱり廉価版である「RT」だ。

廉価版の「RT」はWindows史上、最も歓迎されず誕生し、消えていったことさえあまり騒がれなかった。

ただ、この「RT」が担っていた役割は大きかった。

当時の広告には「ノートパソコンが嫉妬する Surface Pro2」というものと、 「タブレットが嫉妬する Surface2」とある。


ようは、MSは「2in1」と謳っておきながら、それぞれの市場に見た目がよく似た双子を片割れずつ送り出していた。

一機種で戦う気がなかった。


それは「RT」というOSが死んだあとも続く。

「Surface Pro3」には兄弟機である「Surface3」があった。

RTのOSは搭載せず、機能だけを抑えたもので、これについては一部で評判がよかったことを覚えてる。

ここでも双子は、それぞれノートPC、タブレットという市場で戦っていた。

しかし、初代から続いていた流れは、四代目で経ち消えた。


「Surface Pro4」では兄弟機は発表されなかった。

どういうわけかナンバリングをやめた現行最新機種の「Surface Pro」でもそうだ。

つまり、MSはこの辺でタブレット市場から興味をなくした。

興味をなくしすぎて、永遠のライバルであるアップルの発表会に参上し、アップルがどう考えてもSurfaceを意識してこしらえた製品である12.9インチのプレゼンで「iPadでオフィスが使えるぜ!」と言って去って行く奇行に走っていた。

その一ヶ月後、Pro4が発売された。


このときてっきり「MSはタブレットを捨てて、すでに普及してるタブレットにソフトを入れて儲けることを選んだんだ」と思った。

Pro4以降は純粋にハイスペックを追い求めていくのかと思ったら、途中で低スペックモデルを出したり、かたや1TBモデルを出したり、とにかくラインナップを広げていった。

ただ、この機種たちが戦っていたのはノートPCだ。

時々12.9インチのiPadとも戦っていたけど、MacBookシリーズと比較してドヤしてる姿の法がよく見た。

低スペックモデルは「MacBook」や「MacBook Air」と、ハイスペックモデルは「MacBook Pro」と戦っていた。 

未だにこの戦争は終わっていない。


しかし、ここにきてMSは「Surface Go」を出した。

10インチ液晶に、本国では399ドルという価格。 これはノートパソコンではなく、まちがなくタブレットを意識して作られたもの。

久しぶりに、MSがタブレット市場に目を向けたのだ。

なにゆえ? と思った。

小型のSurfaceの噂はここ数年、絶えなかったといえばそうだ。

でも、今、どうして?


思い当たるとすれば、今年の四月に発表されたiPadだ。

別に目を見張るようなスペックはない。形状も中身も使い回しだった。

ただ、アップルはこれで「iPad Pro」の特権であったApple Pencilを使えるようにした。

なんでか? 

教育機関で使ってもらうためだ。

だからわざわざ大学で発表するというサプライズを用意した。

なるほど、Surface Goはこれのライバル機なんだ。 教育機関でのタブレット導入は進んでいるし、ここで廉価版のiPadに対抗しなきゃいけなかったんだ、と納得した。

だから、日本MSが「Surface Go」を教育機関にはそれなりの値段に売っていくつもりなのも納得できた。

それじゃあMS、Surface Goはタブレットして戦わすの?

違う。やっぱりGoもSurfaceだ。

別売のキーボードを使ってほしそうにしている。


そこが「中途半端」なんだと思う。 だってタブレットして戦うのに、明らかにほかの、特にライバル機のiPadにさえ値段は上だ。

性能はいいかもしれないが、教育機関での使用を考えたとき、そこまでのスペックが必要とは思えない。

学校のPCなんて旧機種が熱暴走させながら日々稼働していて、それで特段には困らないんだ。

ここで無意味なハイスペックはいらない。


ここではっきりと言わせてもらうが、Surfaceはノートパソコンにもなるというのが強みと思ってるのかもしれないが、それを名乗るために無駄なスペックを搭載して、値段をライバル機に合わせられないなら、それはもう弱点だ。

AppleがPencilを推し、MSはキーボードを推している。

どちらがタブレットとして戦う気があるのかは明白だ。


結局、Surface Proはまだ他社のノートPCとも、ハイスペックタブレットとも競合していく。

Surface Goもタブレットと、安価なノートPCと戦うことになると思う。 「2in1」なんて言葉の響きはいいけど、結局対戦相手を増やしてるだけ。

タブレットでも、ノートPCでもない。 Surfaceとは何なのかという最初のテーマに答えを出す。

なにものでもない、と。なにものにもなれなかった、と。

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