【雑感】Face ID と Touch ID①【iPhone Xから見えたこと】
Face IDという偽りの革新
昨年11月3日、appleは「iPhoneの10周年記念」として、iPhoneXを発売した。
ついにホームボタンが消え、全面ディスプレイ。すでに他社製で似たスマホができていたとはいえ、appleが導入したことで、今後の新しいスマホの形が決定づけられた。
そしてこれに伴い、Touch IDはFace IDに成り代わった。
僕も発売日にapple心斎橋店に並び、apple storeのスタッフの方とハイタッチをしながらお店に入り、朝一で買った。
あの興奮はしばらく忘れられない。
そのiPhoneXを2か月あまり使用し、色々思うことがあったので書く。
Apple信者ある自分であるが、あえて糾弾させていただく。
結論から言うと「Face IDは失敗作だ」ということだ。
「見ただけでロックが解除できる」という生体認証は、「触れるだけでロックが解除できる」というTouch IDを上回ることができなかった。
確かに未来的だし、実際に使用していても普通にロックが解除されると、とてもスムーズにスマホを操作できる。
認証するスピードもTouch IDを上回っている。
問題はこの「普通にロック解除される」ということが少ないことだ。
認証スピードはTouch IDを上回っているが、認証成功率が圧倒的に下回っている。
まずappleはFaceIDについて「百万人に一人しか一致しない」と豪語した。
それが真実かどうか、確かめるすべもないのだが、つまりはそれだけ高性能であると謳っているわけだ。
それだけに使用しているのが例え本人であっても、はじかれることがある。
例えば冬場、マフラーをして出かける。マフラーで顔が少しでも顔が隠れたら、認証してくれない。
※apple自身、マスクしてたいたら認証しないと認めている。
・ベッドで寝転がっているとき。うつ伏せになって、少し枕に顔をうずめた状態でiPhoneを利用すると……はじかれる。
・暗いところだと、かなり認識精度が下がる。
・机に置いたままだと、iPhoneを覗き込まないとはじかれる。(インカメラの正面に顔を持ってこないと当たり前だけど)
・お風呂場で使おうと思っていると、インカメラ部分が曇って顔を認証しない。
あれこれとあげるときりがない!!
はっきり言って、普通に認証してくれる確率が低すぎて、生体認証として失敗作としか言いようがない。
Touch IDだって不満はあった。でも、iPhone5sから導入されているあれで、ここまで認証をはじかれたことはない。
5s、6plus、6s、7と乗り換えてきたが、この四機種(合計4年)で認証をはじかれた回数より、この2か月でiPhoneXで認証をはじかれた回数の方が多い。
Touch IDは複数の指を登録することができた。親指でも、人差し指でも中指でも。
これのおかげで体勢に関係なく、登録してる指さえあてればロック解除できた。
また、これを利用して、認証制度を上げるために「ふやけた指」や、同じ指を複数回登録することも可能だった。
対して、Face IDは認証できるのは顔だけだ。当たり前だが、顔は複数ない。
つまり、最初にあのグルっと顔を回しながら認証したあの時の顔以外、認証制度を上げることはできない。使っていけば上がるという話だが、ちっともそんな感じがしない!
そしてインカメラ部分は当然動かせないので、あれと顔が常に向き合う状態でないと、ロックを解除しようともしない。
……不便だろ。どう考えても。
こんなこと、appleがわかっていなかったはずがない。絶対に試作機の段階で問題になっているはずだし、なっていなかったら、それこそ問題だ。
ようは「問題とは認識しつつも発売した」ということ。
背景にはいろいろあると思う。2017年が「iPhone10周年であったこと」をはじめとし、iPhoneのマンネリ化が売り上げを鈍化させていたことはiPhone7でわかっていたし、他社がすでに全面ディスプレイのスマホを出していて焦った。
今までのappleなら焦らなかったと思う。iPhone6でようやく電子マネーに対応し、iPhone7でやっと防水機能を搭載した。
この会社はブランド価値で勝負できるだけに、新機能搭載についてはめったに焦らない。
しかし、今回は焦る必要があった。全面ディスプレイモデルという、パッと見でとても革新的に見えるスマホを、どうしてもiPhone10周年に出す必要があったからだ。
iPhoneが進化したと見せかけるため、10周年に、わかりやすい革命が必要だった。
しかし、そのおかげでTouch IDをなくす必要があり、とってつけたようにFace IDが搭載された。
暴言になるが、顔認証なんて新しいものでもなんでもない。PCで顔認証ができるになるツールは結構前から発売されている。真新しさなんてどこにもない。
10周年に革新的に見えるiPhoneを発売する必要があり、それに憑りつかれたせいで、Face IDなんて中途半端な技術でその場をしのいだ。
革命的に見えるが、不便で、実は新しくもない技術で、誤魔化した。
こんな偽りの革新を、信者として歓迎することはできない。
次期iPhoneでは根本的な解決を願う!
ちなみにこの生体認証についてはまだ思うことがあるので、続きます。
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